保健室に入ると先生はいなかった。
私と朝比奈くんの間に微妙な空気が流れる。
私はチラッと朝比奈くんを見た。
「チッ」
うわ、この人舌打ちした!
ばっちり聞こえましたからね!?
「…仕方ねえな。」
朝比奈くんは私の腕を掴んだまま、保健室に入って生徒が座る丸椅子を目で指して「座れ」と言う。
私がその椅子に腰を降ろすと、椅子はキイッときしんだ。
朝比奈くんは保健室の隅に置いてある小さな冷蔵庫の扉から保冷剤を1つ出すと私の前に置かれてる、先生の椅子に座った。
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