「リアン」

 リアンが頭を下げていると、声を掛けられた。
 リアンが頭を上げて声がした方を見ると、ジュリエが無邪気に手を振っている。どうやらジュリエと同じクラスになった様子だ。

「私のいとこなの。みんなよろしくね」

 ジュリエは立ち上がり、皆に言った。するとクラスメイトの誰かが拍手をした。それに釣られ、クラスメイト全員が拍手をし、教室に拍手の音が響き渡った。

「よろしくお願いします」

 リアンは顔を真っ赤にしながら、担任のミシェラから指定された席に着いた。
 隣には、奇遇にもジュリエが座っている。
 リアンが席に着くと、ジュリエはにこやかに白い歯を見せ笑った。リアンも照れた表情を浮かべ、笑顔を返した。そして、休み時間になる度クラスメイトがリアンの元にやって来た。
 前の学校同様に、皆優しげだ。