朝食が終わり、リアンはジュリエと共に、専属の運転手が運転する車に乗り学校へと向かった。
 リアンはジュリエと同じ学校に通う事になっている。
 その車中、リアンはジュリエと話をした。同い年とあって、話が合う。
 ジュリエは目がパッチリとしていて大きい。
 黙っていれば、フランス人形のような可憐さがあるのだ。
 リアンはジュリエの顔が近づく度、ドキドキとしていた。そして会話を重ねていくうちに、ジュリエはとても優しい性格だと感じ取った。
 家族だったマドルスを亡くしてリアンが落ち込んでいると思ったのだろう、ジュリエは彼女なりのユーモアで笑わせてくれている。
 リアンがマドルスが亡くなって以来、こんなに笑ったのは始めての事だ。
 学校に着くまでの間に、リアンとジュリエは、古くからの友人のように仲良くなった。
 学校に着いたジュリエは、リアンを職員室に案内した。そして教師にリアンを紹介すると、手を振りながら自分の教室へと向かって行く。
 リアンは教師に自己紹介をし、その教師から紹介された、これから担任になるミシェラという女教師の前で、再び頭を下げ、自己紹介をした。
 ミシェラはにこやかに自己紹介を仕返すと、二人は職員室から出て、教室へと向かう。

「…今日からお世話になる、リアン・ソーヤです…よろしくお願いします」

 教室に入ったリアンは、今日からクラスメイトになる皆の前で頭を下げた。