音色が消えた教室には、悲しい余韻だけが残っている。何人かの生徒はシャロンのように、その瞳から涙を流している。
その中の一人が、祈るように組んでいた手の平を解き、ゆっくりとした動作で手を叩いた。それがきっかけとなり、その音が連鎖し始めた。そして、教室は鳴り止まない程の拍手の渦が巻き起こった。しかしそんな中、ただ一人拍手を送らない者がいる。シャロンである。
シャロンは先程のように下唇を噛み締め、うつ向いていた。
「…素晴らしい…聴いたことない曲だな…なんて曲だい?」
セトリルは感動のあまり、まだ呆然としながらも、リアンの肩に手を置き尋ねた。
「…曲名なんてないです…適当に弾いていたので」
リアンは小鼻を掻き、照れ臭そうにしている。
その言葉を聞き、セトリルとシャロンは驚いている。セトリルは感嘆の声を上げ、さすがマドルスの孫だと思った。
シャロンはリアンを真っ直ぐに見詰め、素直に負けたと思った。
彼女は容姿端麗で勉強もでき、ピアノもマドルスを除けば、この街一番の腕前だと自負している。
その中の一人が、祈るように組んでいた手の平を解き、ゆっくりとした動作で手を叩いた。それがきっかけとなり、その音が連鎖し始めた。そして、教室は鳴り止まない程の拍手の渦が巻き起こった。しかしそんな中、ただ一人拍手を送らない者がいる。シャロンである。
シャロンは先程のように下唇を噛み締め、うつ向いていた。
「…素晴らしい…聴いたことない曲だな…なんて曲だい?」
セトリルは感動のあまり、まだ呆然としながらも、リアンの肩に手を置き尋ねた。
「…曲名なんてないです…適当に弾いていたので」
リアンは小鼻を掻き、照れ臭そうにしている。
その言葉を聞き、セトリルとシャロンは驚いている。セトリルは感嘆の声を上げ、さすがマドルスの孫だと思った。
シャロンはリアンを真っ直ぐに見詰め、素直に負けたと思った。
彼女は容姿端麗で勉強もでき、ピアノもマドルスを除けば、この街一番の腕前だと自負している。