「皆さん、こちらマドルス.ソーヤさんのお孫さんのリアン.ソーヤ君です…突然ですが、こちらのクラスで、皆さんと一緒にお勉強することになりました。よろしくお願いします」

 そう言うと、学園長はどこか満足げに、リアンを残し、教室から出て行った。

「…よろしくお願いします」

 リアンは黒板の前に立つ、このクラスの担任の女性に挨拶をした。

「…はい、では席はあちらで」

 担任は何も聞いていなかったらしく、驚きながら空いている席を指差した。

「はい…皆さんよろしくお願いします」

 リアンは今度はクラスメイトに向かって、挨拶をした。
 そのクラスメイト達は、リアンを見て驚きの顔をしている。
 注目を一身に受けながら、リアンは言われた空席に座った。

「シャルラ先生!マドルス.ソーヤって、あのマドルス.ソーヤですか!?」

 生徒の一人が、担任のシャルラに向かい尋ねた。

「…分からないわ…私も転校生の話しなんて聞いてなかったから…では、授業を始めます」

 その言葉を聞き、皆は姿勢を正した。きちんと教育の行き届いた学校なのだろう。
 リアンは学園長に貰った教科書を鞄から取り出すと、それを開いた。しかし、シャルラが何を言ってるのか、チンプンカンプンだ。
 前の学校と比べて、この学校は学力のレベルが相当高いようだ。
 理解仕切れないリアンは、上の空で聞いている。

「つまらないな…ドニーは今頃楽しんでるかな」

 リアンは授業中そんな事を考え、つまらない授業を乗り切った。