「…よっ、リアン…悪いな」

 ジャンが、リアンに気付いた。

「…大丈夫?痛くない?」

 リアンは涙を浮かべ、とても心配している様子だ。

「まだ、ちっと痛いけど、大丈夫だ!」

 ジャンは親指を立て、にっこりと笑った。

「なんで足の骨折ったの?」

「…いや、屋根が気になったから、また登ったら、落っこちたんだ」

 ジャンは申し訳なさそうな様子だ。

「…もう」

「…まぁ、そんなに怒るなよ…それより、リアンに紹介したい人がいるんだ」

 ジャンはそう言うと、椅子に座っている老人へと視線を向けた。
 リアンはその老人に見覚えがある。昨日酒場に来ていた、あの老人だ。

「…どうも、こんにちは」

 リアンは挨拶をし、頭を下げた。そして、頭を戻した時に、リアンは驚いた。
 老人は目に涙を浮かべ、泣いていたのだ。

「リアン、あのな…」

 ジャンは何か、言い難そうにしている。

「…え?何?」

「…こちらはフェルドのお父さん…つまり、お前のおじいちゃんだ」