二人は懐かしむように、共に過ごした日々を振り返った。
 話しは尽きる事はなかったが、時間は無情にも流れ、外は夕焼けに包まれ始めた。

「…そろそろ帰らないと、母ちゃんに叱られちゃうな」

 ドニーは寂しそうに呟いた。

「…うん」

 リアンも同じ気持ちだ。

「…リアン…離れてても俺達はずっと親友だからな!」

 涙を堪えたドニーは、リアンの手を握り締め、無理やり笑顔を作った。

「うん!」

 リアンも涙を堪え、力強く手を握り返した。

「…帰ろう」

 言いたくない言葉を、ドニーは口にした。
 二人は秘密基地を出た。

「…あっ、鞄学校だ」

 ドニーが思い出した。
 二人は鞄を取りに、学校へと向かった。
 学校に着いた二人の足は忍び足だ。鞄を持ち、忍び足で帰ろうとした瞬間、ドアがすぅーと開いた。
 二人がゆっくりと開かれたドアへと視線を向けると、そこには凍り付いた笑顔を浮かべるライアが立っていた。