「ドニー君、今日は病気でもしてるの?」

 ライアの片方の眉は、ピクピクと動いている。

「…してません」

「じゃあなんですか!?その元気のない掛け声は!?」

 ライアは毎日感情が違う。どうやら今日はヒステリックな日のようだ。
 ドニーが返事をせずに、俯く中、リアンが口を開いた。

「…先生…先生はドニーが転校すること知ってたんですか?」

「知ってたわよ!!それが何!?」

 ライアは目を吊り上げ、教卓を叩いた。

「…なんで教えてくれなかったんですか?」

「あなたにそれを教える義務なんてないの!」

「なんでですか!?」

 リアンは初めてライアに食って掛かった。

「先生に歯向かうんじゃありません!こっちにきなさい!!」

 ライアは右手を振りかざし叫んだ。

「…逃げろ!」

 ドニーは、リアンの手を取った。そしてドニーはリアンの手を掴んだまま、駆け足で教室を出て行った。