ショルスキが滅多に喋らないのは、注目される事が人一倍苦手だという事が大きな原因なのだが、その事は誰も知らないようだ。
 恥ずかしさの中に、嫌がる様子を覗かせているショルスキの様子に気付いた教授が、助け船を出した。

「ほれほれ、せっかくの美味いスープが冷めてしまうぞ。それにドラム缶風呂もじゃぞ」
 
 その言葉にいち早く反応したのは、やはりこの男だった。

「みんな!早く食事に戻るんだ!風呂が冷めてしまうぞ!」

 ジョルノはそう言うと、テーブルに置かれた皿とスプーンを取り、皿の縁に唇を付けると、スプーンを口に向かい忙しなく動かした。

「おいジョルノ、それまだスープよそってないぞ!」

 ビスコのその一言に、教授とスワリは思わず吹き出した。
 リアンも可笑しそうに笑っている。
 ショルスキは自分から注目が外れた事に安堵すると共に、皆の笑い声につられて笑顔を浮かべた。

「ごちそうさまでした」

 それぞれが手を合わせ、皆が食事を終えた。

「よし!リアン、風呂だ、風呂だ!」

 この時を待ってましたとばかりに、リアンの手を掴むと、ジョルノは一目散にドラム缶風呂がある小屋の外へと向かった。