リアン以外は、皿を太股に載せたまま、いただきますをするその道のプロと言ってもいいだろう。

「うん!美味い!」

 ジョルノはスープを啜り、ボーノボーノと人差し指をほっぺの上でぐりぐりとしている。そしてよほど美味いのか、ジョルノはパンの存在を忘れたように、スープだけを飲み干し、おかわりをした。

「なぁ教授、今日ドラム缶発見したんだ。毎日水風呂じゃ物足りないから、ドラム缶風呂にしようよ」

 ジョルノはようやく食べ出した、パンをほうばりながら言った。

「そうじゃな、わしらは水風呂に慣れてるからいいが、リアンは慣れてないだろうから、熱いドラム缶風呂がいいじゃろ?」

「え?ドラム缶風呂ですか?…僕は水風呂でも大丈夫ですよ」

 小屋で暮らしようになってからのリアンは、水道で頭と体を洗ってはいる。
 だが、熱い風呂に入りたい気持ちはあるだろう。
 リアンは遠慮しているのだ。

「リアン、わしが入りたいだ!明日からドラム缶風呂にしよう!」

 リアンの遠慮に気付いたのかは定かではないが、ジョルノは笑顔で言った。

「明日ドラム缶、この小屋に持ってくるからな!」

「はい」

 リアンは熱い風呂に入れると思うと、思わず笑顔になった。
 それから夕飯を食べ終わると、昨日のようにピアノの演奏会が始まった。
 最初はリアンが弾き、最後に教授が弾き、小屋の中は昨日にも増して、拍手の渦が巻き起こる。そして宴は終わり、皆はそれぞれの寝床へと帰って行った。