三人が小屋に入ったのを見届けた教授は、鍋の中のスープをおたまで掬い、味見した。

「ふぉふぉふぉ、美味い!リアンは味付けの天才じゃな!ほれ、リアンも味見してごらん」

 おたまをリアンに差し出し、教授はにっこりと微笑んでいる。
 リアンはおたまを教授から受け取ると、スープを掬い、味見した。

「美味しいです」

「そうか!ふぉふぉふぉ!じゃあ中に運ぼう」

 二人は鍋を持ち、三人が待つ小屋の中へと入って行った。

「お!できたか!腹減った!」

 ジョルノ達は、うれしそうにリアン達を出迎えた。
 教授は鍋をテーブルに載せると、熱々のスープを皿に盛り付けて行く。
 リアンはパンを紙袋から取り出し、皆の開かれた手の平に置いて行くと、それぞれのグラスに水を注いだ。

「よし、食べようか」

 教授がそう言うと、皆は器用に太股の上にスープの入った皿を置いた。そして、テーブルに置いたグラスの上に、手に持っているパンを置くと、両手を合わせていただきますの合掌をした。
 こんな時にこそ、物を置けないテーブルの狭さに誰か何か言わないのかと思うものだが、まだ慣れていないリアン以外は皆、平然とした顔をしている。