「酒持ってきたぞ!あとリアン用にジュースもあるからな!」

 教授はそう言うと、酒が入っている袋をジョルノに渡した。

「よし!そろそろ、いいだろう!」

 ビスコは鍋を焚き火から下ろし、小屋の中へと入って行く。
 皆もビスコの後に続いて、小屋の中に入った。

「さあ、宴会のスタートだ!」

 皆がコップを持ったのを確認すると、教授は乾杯の音頭をとった。
 小さなテーブルの上には、鍋とパンの入った籠、それに酒とジュースの瓶が置かれている。それ以外には物を置けるスペースは無い。皆は椅子に座り、左手にコップを持ち、ビスコの作ったシチューの入った皿は、太股の上に置いている。

「うまい!」

 ジョルノは太股に置いた皿から、器用にスプーンでシチューを掬うと、口いっぱい頬張り、ビスコに向かい親指を立てた。

「リアン、うまいか?」

 教授は、皆を真似して太股の上に皿を載せている為、食べるのに一苦労しているリアンに向かい、笑顔で尋ねた。

「はい、おいしいです」

「そうか、そうか!はははは!」

 教授は、リアンの笑顔を見て笑った。
 リアンも教授の笑い声を聞いて、心の底の不安な気持ちが晴れていった。