「リアンぐらいピアノが上手くて、いつも飯を持ってきてくれる人だよ」

 ジョルノはそう言うと、親指を立てにんまりと笑った。

「そろそろ来る頃じゃないか?」

 そう言た次の瞬間、小屋のドアが開いた。

「やあ、みんな飯だぞ」

 荷物を抱えて入ってきた老人はそう言うと、リアンの顔を見て不思議そうな顔をした。

「教授!こいつリアンっていって、行き場所がないんだって」

 ジョルノは教授と呼ばれる老人に向かい、そう言った。

「…リアンです。よろしくお願いします」

 リアンはにこやかに微笑む教授に、頭を下げた。

「わしは皆から教授と呼ばれておる。リアンも教授と呼んでくれ…リアンは行く場所がないのか?」

「…はい」

「…じゃあ、この小屋に住めばいいじゃろ。食べ物はわしが毎日持ってきてやるから心配することはないぞ」

 そう言った教授は、見る者全てが安心するような、穏やかな笑顔を浮かべている。