「…ごちそうさまでした」

 パンを平らげたリアンは、男にお礼を言った。

「…ブランコ、乗っていいか?」

 男は不意にリアンに問い掛けた。

「…え?あっ、どうぞ」

 そう答えたリアンの返事を聞いて、男はブランコに飛び乗った。

「見てくれ!見てくれ!」

 男はとても楽しそうにブランコを漕いでいる。

「凄いだろ!?」

 さらに男は漕ぐスピードを速めた。すると男の姿が突如ブランコから消えた。
 男は宙を舞い、「ドスン!」と凄い音を立てながら、腰から床に落ちてしまった。

「だ、大丈夫ですか!?」

 リアンは男に駆け寄った。

「痛たたた…いい所見せようと調子に乗ったら、腰を打った」

 男は舌をぺろっと出して、笑っている。
 どうやら大怪我はしていないようだ。

「痛っ!」

 立ち上がった男は、腰を押さえ声を洩らした。
 どうやら腰を痛めたようだ。