差し込む太陽の光が、眩しい。
 リアンは目を細め、喋り出した人影を見詰める。
 整えられてはいない、もじゃもじゃの髭。それにボサボサの長い髪。そして、お世辞にも綺麗とは呼べない、継ぎ接ぎがしてある布切れを纏っている。
 男は所謂、ホームレスのような格好をしているのだ。

「…あの」

 リアンが言い掛けた時、男がまた喋りだした。

「なんで、わしのブランコに乗ってる?」

 男の顔は、怒っているように見える。
 リアンはブランコから降りると、恐る恐る口を開いた。

「…これは僕達が、昔作ったブランコです」

「…お前が作ったのか?」

「…はい…昔ここは僕達の秘密基地でした…ブランコを作り…ここにあったピアノを弾いて遊んでました」

 リアンは、昔ピアノがあった場所を指差した。

「えっ?あのピアノも、お前のか?」

 男は驚いた顔をしている。

「…僕のじゃないですけど…元からここにあった物です」

 その時、リアンの腹の虫が激しく鳴った。