「まさしくこれは、久しぶりの依頼ですね!」
そうなんですか? なんて不躾な様子で言いそうになった言葉は、彼女が小躍りしながら僕の手を掴んだものだから、思わず引っ込んでしまった。
彼女は大学生くらいの年頃だろうか。若々しい反応が、最近仕事でしか出会わなかった女性諸君とはまた違っていて、新鮮だ。
「この神社はなかなか変わっ……ユニークですね」
危ない、もう少しでネガティブな言葉が飛び出しそうだった。同じような意味なのに、ユニークと言うとプラスに聞こえるのが不思議だな。
なんて思っていた矢先、隣に立つあの小憎たらしい少年が僕を蔑むように見上げて、反吐でも吐きそうな顔でこう言った。
「いや、むしろそれ止めきれてないだろ。言ったも同然だぞ」
「……えっ?!」
思わず口を押さえた僕は、この少年が言うように寸止めできていなかったのかと、ちらりと目の前にいる彼女へと視線を向けた。
すると、彼女は僕のことを恐れおののくように目を丸くして見つめていた。
……本当だ。寸前のところで止めたつもりの言葉は、どうやら止めきれていなかったようだ。と言うか、変わってると言うつもりだった言葉は、念のために言い方を変えただけで、そんなに悪い意味を持った言葉だとは思っていなかった。
だからこそこんな顔をされるとは思っていなかっただけに、僕としても衝撃だ。
むしろ言い換えたのが悪かったのか? 言葉をオブラートに包もうとして、むしろ遠回しに嫌味だと言われたことは過去にある。元カノにはそう言われたことは数多の数ほどだ。
麗しい女性の麗しい顔が、曇る様子を見るのは、なんとも痛々しい。自分が原因だと考えると余計に切ないものだ。
そんな風に考えていた、そんな時だった。
「あの……見えるんですか?」
「……はい?」
恐れるかのようで、怖がるかのように、彼女が口元に当てた手がわなわなと震えていた。
「その、見えているんですか?」
「……? 何がですか?」
と言うか、どれの話をしているのかがさっぱりわからない。僕は彼女の言う見えているものとはどれのことを指しているのだろうかと、思わず首を傾げそうになっていた。
すると、細い指先で彼女はツンと僕から……僕の隣に立つ少年へと指を指した。
そうなんですか? なんて不躾な様子で言いそうになった言葉は、彼女が小躍りしながら僕の手を掴んだものだから、思わず引っ込んでしまった。
彼女は大学生くらいの年頃だろうか。若々しい反応が、最近仕事でしか出会わなかった女性諸君とはまた違っていて、新鮮だ。
「この神社はなかなか変わっ……ユニークですね」
危ない、もう少しでネガティブな言葉が飛び出しそうだった。同じような意味なのに、ユニークと言うとプラスに聞こえるのが不思議だな。
なんて思っていた矢先、隣に立つあの小憎たらしい少年が僕を蔑むように見上げて、反吐でも吐きそうな顔でこう言った。
「いや、むしろそれ止めきれてないだろ。言ったも同然だぞ」
「……えっ?!」
思わず口を押さえた僕は、この少年が言うように寸止めできていなかったのかと、ちらりと目の前にいる彼女へと視線を向けた。
すると、彼女は僕のことを恐れおののくように目を丸くして見つめていた。
……本当だ。寸前のところで止めたつもりの言葉は、どうやら止めきれていなかったようだ。と言うか、変わってると言うつもりだった言葉は、念のために言い方を変えただけで、そんなに悪い意味を持った言葉だとは思っていなかった。
だからこそこんな顔をされるとは思っていなかっただけに、僕としても衝撃だ。
むしろ言い換えたのが悪かったのか? 言葉をオブラートに包もうとして、むしろ遠回しに嫌味だと言われたことは過去にある。元カノにはそう言われたことは数多の数ほどだ。
麗しい女性の麗しい顔が、曇る様子を見るのは、なんとも痛々しい。自分が原因だと考えると余計に切ないものだ。
そんな風に考えていた、そんな時だった。
「あの……見えるんですか?」
「……はい?」
恐れるかのようで、怖がるかのように、彼女が口元に当てた手がわなわなと震えていた。
「その、見えているんですか?」
「……? 何がですか?」
と言うか、どれの話をしているのかがさっぱりわからない。僕は彼女の言う見えているものとはどれのことを指しているのだろうかと、思わず首を傾げそうになっていた。
すると、細い指先で彼女はツンと僕から……僕の隣に立つ少年へと指を指した。