それから数日。


今日は高校の入学式。


鏡の前で私はセーラー服のリボンを結んだ。


…よし、曲がってないな。

私がくるりと一回転するとスカートがふわっと揺れた。







どこかちょっと圧がある高校の正門の前に立つと、いよいよ自分は華のJKになるんだ…!という思いでいっぱいになった。

校舎の玄関前にはクラスが書かれた紙が貼られている。

私はもともと身長がそこまで高い方ではないので背伸びをして自分の名前を探す。


「遥香っ」


後ろから名前を呼ばれて振り向くと、親友のみっちゃんこと、月城岬(ツキシロミサキ)がいた。


「みっちゃんっ」


「クラスもう見た?私と遥香、一緒のクラスだよっ」


「えっほんと??やったぁ」


2人でわいわいと喜んでいると、人混みのなか、



「えっ…慧さん、?」


慧さんの顔が見えた。


急いで話しかけようと慧さんがいたところに行ったけど慧さんは見つからなかった。


…見間違い、なのかな…。



ちょっとがっかりしながらみっちゃんと三階の教室に向かった。