電車がプシューと音をたててホームに止まる。



扉が開き、助かった…と思いながらたくさんの人ごみに押し寄せられるようにして電車を降りる。



人の波に従うようにして出口に向かって足をすすめていると、一時的におさまっていたはずの腹痛が再発。



しかも今度は大物だ。



周りを見て、腰を下ろせそうなスペースを探し移動してしゃがみこむといくらかマシになった。


あぁ…今日はツイてない。



痛みにこらえながらもはぁ…とため息をつくと頭上から「あの、…大丈夫ですか、?」と声が聞こえた。



数秒たって、その言葉が自分にむかって発せられたものだと気づき顔を上げると、私と同い年くらいの1人の男の人が私を見下ろしていた。



「具合悪いんですか?」


その人がすっとしゃがむと、私の同じ目線になった。


「えと…お腹、痛くて…」



「大丈夫ですか?…あっ、俺、薬買ってきましょうか?」



「い、いえ…そんなこと…」



あ、しまった。…またお腹が痛くなってきた。


しゃがんでからちょっとずつ痛みがなくなってきつつあったけど、波のように次の痛みが襲ってくる。



それが顔に出てたのか、男の人が




「俺、ちょっと行ってきます。…ここで待っててください。」




と言い、立ち上がって行ってしまった。