カズラの言葉を聞いて、俺は思わず意気消沈してしまう。
被害者と接点がある人間をしらみつぶしに当たっていけば、と思っていた最初の考えがいかに浅ましかったと思い知る。
例え面識がない人間であっても、悪意さえあればアカウントの乗っ取りは可能なのだ。
「ここで一旦、被害者の情報を整理してみるよ」
肩を落とす俺とは対照的に、カズラは落ち着いた調子で言葉を続ける。
「そこら辺の話はお兄ちゃんを通して、蒲公さんに聞いてもらったからね」
「ああ、そういやそうだったな」
蒲公と直接やり取りをすることはカズラにとってまだ早い、と判断した俺は代行して蒲公と連絡を取っていた。
カズラが蒲公に求めた情報はいくつかあるが、ここで必要なのは被害者たちの情報だ。
「俺なりにまとめてみたんだけど、こんな感じでどうだ?」
事前に紙へまとめてきた情報をカズラの前に出してみる。
まず現時点で、被害者はこの五人だ。
・被害者その一:篝火紫陽
飲酒をしている写真を投稿され、それが学校側に知れ渡り停学処分になる。
・被害者その二:月下部香
電車のホームから線路内に侵入し、悪ふざけしている写真を投稿される。
鉄道会社から学校へ直々に苦情が届き、鉄道会社に謝罪。本人は停学処分になる。
・被害者その三:雪ノ下雫
スーパーのアイス売り場で、冷蔵ケース内に身体ごと入り込んでいた写真を投稿される。
店舗側はケース内のアイスを全て廃棄、殺菌消毒した上で公式サイト上に謝罪文を掲載。
被害届と賠償請求を提出し、本人の処遇は明言はされていないが退学の線が濃厚らしい。
・被害者その四:永翁太郎
カズラと同じクラスの男子で、月下部と交際していた。
トイレで喫煙している写真を投稿される。学校側に抗議の電話が殺到し停学処分になる。
・被害者その五:錦木和樹
永翁と同じく同じクラスの男子で、雪ノ下と交際していた。
飲食店で調味料の容器を鼻の中に入れている写真を投稿される。
その後、本名や学校を特定され停学処分になる。
「……何だか現代の闇を煮詰めた感じだな」
「俗に言う〝バカッター〟ってやつだね」
まとめた被害者たちの情報を改めて見ていると、思わず辟易してしまう。
被害者と接点がある人間をしらみつぶしに当たっていけば、と思っていた最初の考えがいかに浅ましかったと思い知る。
例え面識がない人間であっても、悪意さえあればアカウントの乗っ取りは可能なのだ。
「ここで一旦、被害者の情報を整理してみるよ」
肩を落とす俺とは対照的に、カズラは落ち着いた調子で言葉を続ける。
「そこら辺の話はお兄ちゃんを通して、蒲公さんに聞いてもらったからね」
「ああ、そういやそうだったな」
蒲公と直接やり取りをすることはカズラにとってまだ早い、と判断した俺は代行して蒲公と連絡を取っていた。
カズラが蒲公に求めた情報はいくつかあるが、ここで必要なのは被害者たちの情報だ。
「俺なりにまとめてみたんだけど、こんな感じでどうだ?」
事前に紙へまとめてきた情報をカズラの前に出してみる。
まず現時点で、被害者はこの五人だ。
・被害者その一:篝火紫陽
飲酒をしている写真を投稿され、それが学校側に知れ渡り停学処分になる。
・被害者その二:月下部香
電車のホームから線路内に侵入し、悪ふざけしている写真を投稿される。
鉄道会社から学校へ直々に苦情が届き、鉄道会社に謝罪。本人は停学処分になる。
・被害者その三:雪ノ下雫
スーパーのアイス売り場で、冷蔵ケース内に身体ごと入り込んでいた写真を投稿される。
店舗側はケース内のアイスを全て廃棄、殺菌消毒した上で公式サイト上に謝罪文を掲載。
被害届と賠償請求を提出し、本人の処遇は明言はされていないが退学の線が濃厚らしい。
・被害者その四:永翁太郎
カズラと同じクラスの男子で、月下部と交際していた。
トイレで喫煙している写真を投稿される。学校側に抗議の電話が殺到し停学処分になる。
・被害者その五:錦木和樹
永翁と同じく同じクラスの男子で、雪ノ下と交際していた。
飲食店で調味料の容器を鼻の中に入れている写真を投稿される。
その後、本名や学校を特定され停学処分になる。
「……何だか現代の闇を煮詰めた感じだな」
「俗に言う〝バカッター〟ってやつだね」
まとめた被害者たちの情報を改めて見ていると、思わず辟易してしまう。