「そういや今、何時頃だ?」
そんな昔話で盛り上がっていると、飛燕がふと時計を見る。
釣られて携帯電話の時計を見ると、時刻は八時ちょっと前。
校内に入ってから、およそ一時間が経過していた。
「天文部の天体観測が十時までだから、まだ余裕だな」
現在時刻を確認すると飛燕は、安堵するように呟きを漏らした。
「時間に余裕があっても、急ぐに越したことはないな」
「そうね。宿直の先生と鉢合わせて反省文、なんてゴメンだし」
「そん時はみんなで素直に謝って、許してもらおうぜ」
「嫌だよ。お前一人で謝れ」
「嫌よ。あたしはあんたに脅された、って言うから」
「まさかの見捨てられる展開!?」
楽観的な飛燕の見通しに対して、俺と柊は容赦なくツッコミを入れる。
俺たちは有事の際には飛燕を切り捨ててでも、安全を確保するするつもりだ。
「つ、椿ちゃんはオレを見捨てないよね……??」
「えーと……その、ごめんなさい!」
「まさかの椿ちゃんからも切り捨てられた!!」
捨て犬のようにうるうると潤んだ目で懇願する飛燕に、秋海棠は勢いよく頭を下げてイエスと肯定する。どうやら秋海棠も飛燕の扱いが板についてきたようだ。
「因果応報だな」
「自業自得よね」
「なんで君らはオレに、そう厳しいのかなぁ!?」
「「自分の胸に聞いてみろ」」
「うぃっす」
不満げに嘆く飛燕に俺と柊は、図ったようなタイミングでぴしゃりと言い放つ。
飛燕はそれを聞いて諦めたのか、がっくりと肩を落として項垂れる。
「つーわけで、話してる間に着いたぞ」
馬鹿な話に興じていると、どうやら目的の教室に着いたようだ。
「いいか、開けるぞ?」
飛燕が確認するように言うと俺たちは、再び気を引き締め表情を強張らせて頷いた。
「……特に異変はないな」
扉を開けると俺たちの前には、誰もいない無人の教室が現れる。
カーテンは閉め切られているので、教室の中は薄暗かった。
「例の声も聞こえないな」
室内に踏み込んで周囲を見渡すが、そこは何の変哲もないよく見知った教室だった。
教室の中は無人なので当然、誰の声も聞こえてこない。
「確か噂では、誰かの声が聞こえてくるんだっけ?」
「ああ、オレが聞いた話は、そんな感じだったな」
確認するように問いかける柊へ、飛燕は肯定するように頷いた。
そんな昔話で盛り上がっていると、飛燕がふと時計を見る。
釣られて携帯電話の時計を見ると、時刻は八時ちょっと前。
校内に入ってから、およそ一時間が経過していた。
「天文部の天体観測が十時までだから、まだ余裕だな」
現在時刻を確認すると飛燕は、安堵するように呟きを漏らした。
「時間に余裕があっても、急ぐに越したことはないな」
「そうね。宿直の先生と鉢合わせて反省文、なんてゴメンだし」
「そん時はみんなで素直に謝って、許してもらおうぜ」
「嫌だよ。お前一人で謝れ」
「嫌よ。あたしはあんたに脅された、って言うから」
「まさかの見捨てられる展開!?」
楽観的な飛燕の見通しに対して、俺と柊は容赦なくツッコミを入れる。
俺たちは有事の際には飛燕を切り捨ててでも、安全を確保するするつもりだ。
「つ、椿ちゃんはオレを見捨てないよね……??」
「えーと……その、ごめんなさい!」
「まさかの椿ちゃんからも切り捨てられた!!」
捨て犬のようにうるうると潤んだ目で懇願する飛燕に、秋海棠は勢いよく頭を下げてイエスと肯定する。どうやら秋海棠も飛燕の扱いが板についてきたようだ。
「因果応報だな」
「自業自得よね」
「なんで君らはオレに、そう厳しいのかなぁ!?」
「「自分の胸に聞いてみろ」」
「うぃっす」
不満げに嘆く飛燕に俺と柊は、図ったようなタイミングでぴしゃりと言い放つ。
飛燕はそれを聞いて諦めたのか、がっくりと肩を落として項垂れる。
「つーわけで、話してる間に着いたぞ」
馬鹿な話に興じていると、どうやら目的の教室に着いたようだ。
「いいか、開けるぞ?」
飛燕が確認するように言うと俺たちは、再び気を引き締め表情を強張らせて頷いた。
「……特に異変はないな」
扉を開けると俺たちの前には、誰もいない無人の教室が現れる。
カーテンは閉め切られているので、教室の中は薄暗かった。
「例の声も聞こえないな」
室内に踏み込んで周囲を見渡すが、そこは何の変哲もないよく見知った教室だった。
教室の中は無人なので当然、誰の声も聞こえてこない。
「確か噂では、誰かの声が聞こえてくるんだっけ?」
「ああ、オレが聞いた話は、そんな感じだったな」
確認するように問いかける柊へ、飛燕は肯定するように頷いた。