蒲公の報復を阻止しても、御坊に対する印象は一変してしまうだろう。
 アイツが必死になって守ってきた居場所は、きっともうそこにはないのだ。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん」
 そんな俺の不安を払拭するように、カズラは静かに口を開いた。
「御坊君にはカズラがいるから。今度はカズラが味方になってあげるんだ」
 確かな決意を持ってそういう妹の姿を見て、俺は思わず頬を緩める。
「そっか……それならきっと、大丈夫だな」
 確かな一歩を歩み出すことを決めたカズラを見て、俺は安心するように笑ったのだった。