「悪いわね。私は、昔からお転婆で有名なのよ!
それにあんたばかりカッコいい思いなんてさせないわ。
死ぬなら一緒よ!」

私は、そう叫んだ。そうよ!
待って死ぬぐらいなら自分で決めた選択で死にたい。
それに負けられない理由もある。

「絶対に生きて帰るの。
そして皇后の戴冠式に出席しなくちゃあ!!
私は、あなたの妻になりたいから」

それが私の今の願いだ。あの男は、それを聞いて
驚いた表情をしていた。だがすぐにクスッと笑うと
攻撃しようとした盗賊を切り倒した。
血がついた剣を振り払うと背中を向けてきた。

「フン。勝手にしろ。だがこれだけは忘れるな。
貴様は、俺が守る。絶対にだ!」

相変わらず……素直じゃないわね。
でも信頼してくれてると分かり嬉しくなった。
私も背中を向けて木刀を構える。

「上等よ。でもあなたも忘れないで。
国も私もあなたを失いたくない。だから守るの」

お互いに失いたくないものは同じ。
だから支え合い、助け合うの。
それが私達が見つけた答えだった。
新たに来る敵に対して私達は、攻撃した。

しばらく必死に参戦してこちらが有利になる。しかし
ちょっとどれぐらい居るのよ!?
思ったより盗賊の数が多かった。

備えて仲間数を増やしたのかしら?
私の身体は、現在鍛えてもか弱いため体力に
かなりの限界があった。
くっ……元の身体ならまだ持つのに……。

よろめいた瞬間だった。盗賊の1人が
私に向かい剣を向けた。ひぃぃ……殺される!!
私は、恐怖で目をつぶる。しかし
殺される気配もない。それよりもあたたかい感触が。

見るとあの男が私を抱き締めながら庇い
盗賊相手に剣で攻撃をしていた。
倒すことが出来たが、あの男の腕に血が……。
ま、まさか切られたの!?

「だ、大丈夫……陛下!?」

「心配するな。ただのかすり傷だ!
それよりも……もういい。馬車に戻れ。
貴様の体力も限界だろう。後は、俺達がやる」

「でも……」