私とアミーナは、馬車に乗り込むと走り出した。
窓のカーテンを少し開けて外を覗くと
あの男は、馬に乗り私達を守るように着いてきていた。
なんとも不器用で頼りになるのだろうか。
「久しぶりに母国に帰れるなんて
嬉しいですねぇ~ユリア様」
「あなたは、呑気ねぇ~アミーナ」
国が一大事だと言うのに呑気に母国に帰国出来ることを
喜ぶアミーナに呆れてしまう。
相変わらずマイペースと言うか……。
「だって、こういう時ではないと国に帰れませんもの。
ユリア様が無事に皇后になられましたら
それこそ、簡単に帰れなくなりますよ!」
力説して言うアミーナに確かにと思った。
皇后になるということは、そういうことになる。
国を背負うなら簡単に帰れないし
それこそ嫁げば関係なくなってしまう。
あぁ、それも不安なのかしらね……。
皇后になることに色々考えさせられた。
皇后は、皇帝の次に権力を持つ最高の権力者。
思ったより重く責任が重大だと改めて感じさせられた。
ハァッ……とため息を吐いた。
何時間走ったのだろうか?
エミリオン帝国を出てアース帝国に近づいてきた。
もう少しぐらいしたら見えてくるかしら?
するとガタガタッと馬車が揺れて停まった。
な、何!?何が起きたのかしら?
私は、慌てているとアミーナは、不安がっていた。
「ユリア様~」
「大丈夫?アミーナ。怪我はない?」
「はい。ユリア様は?」
「私は、大丈夫よ。それより何事かしら?」
何だか嫌な予感がして私は、一緒に持ってきた
木刀を握り絞めた。
警戒しながら馬車の中から耳を傾ける。
すると、どうやら向かう途中に盗賊達に接触したようだった。
「貴様ら……何の用だ?そこを退け。
我々は、急いでいる。邪魔だ!」