それから数日後。私達は、前皇后様と同じように
秘密を共有する。こっそり図書室に行くと
慣れたように隠し部屋に向かう。

中に入って来ないようにボタンの蓋を閉めて
部屋も中から閉じた。
これで外からは、元の図書室に戻り誰も入ってこない。
あの男は、世界に歴史を隠された本に興味を持ち
ソファーに座ると夢中で読んでいた。

読書好きだから仕方がないと思うが
あまり夢中で読まれると面白くないと思ってしまう。
隣に座り私も読んでみるが、あまり分からないし
もう少し英語を勉強した方が良さそうだ。
ムスッと頬を含ましているとあの男がそれに気づいた。

「何だ……ふて腐れて?
俺が構わないから拗ねているのか?」

「別に……そんなことないわよ。でも、いくら
本好きだからってレディを1人して放っておく?
もう少し考えてほしいものだわ」

「結局拗ねているだけだな……それ」

あの男は、呆れたようにテーブルに本を置くと
私にキスをしてきた。
違う……そういう意味じゃなくて。
必死に拒もうとするがやめずにキスを続けてくる。

首筋に移しながら背中のチャックを開けてくるし
私は、慌てて同じ台詞を口に出した。
「待って……それだとあなたの両親みたいよ?」と……。

「もう……その台詞聞き慣れた。いいから大人しくしろ」

そう言うと強引に唇にキスをしてきた。
もう慣れるなんて……。
しかし拒もうとするのに上手く力が入らない。
私は、キスに意識を取られてしまった。

「これだと…あなたの両親みたいになっちゃうわよ?
もし子供も出来たら……どうするのよ?」

「……いいじゃないのか?俺らは、夫婦だ。
早い内に皇后戴冠式をやらせよう」

えっ……!?
私は、驚いて起き上がってしまった。
あの男のバースデーパーティーやいろんなことが
あり過ぎて後回しになっていたが
そろそろ始めるんだ?
その言葉に思わずドキッとした。

「何だ?その不安そうな表情は……嫌なのか?」