「どれぐらい凄いの?」
「世界を変えるほどだ。これには、世界中の歴史や
いろんなことが細かく記録されている。
本1冊だけでも国を1つ潰せるか、手に入るぞ」
えっ……そんなに!?
国を1つ潰せるほどだなんて……恐ろしいわね。
だが、そんな貴重な本が地下の隠し部屋にあったなんて
これを教えるために前皇后様は、あの男に
暗号として教えたのだろうか?
うん?すると中央にソファーが設置してあり
そこに1冊の本が置かれていたのが見えた。
あれも……?
「ねぇ陛下。あそこに本があるわよ?」
「はぁっ?あ……確かに」
私とあの男は、不思議に思いソファーのところまで
行ってみることにした。中央にソファーにテーブル。
ホコリが被っているのを見ると誰も使用していないようだ。
隠し部屋だから当然なのかもしれないが……。
私は、本を取ると手でホコリを落とした。
ペラっとめくると……あの男は、さらに驚いた表情をする。
「こ、これは……母の日記だ!?」
「えっ?前皇后様の!?」
驚いたことにあの男の母親で前皇后様の
書いていた日記を見つけることが出来た。
だが私は、最近英語が読めるようになったが
あの男に読んでもらった方が早いだろうと思い
読んでと頼むとソファーのホコリを払い座ると
読んでくれた。そこには、こう書かれていた……。
『○月○日。晴れ。
今日は、図書室の清掃をした。そこは、
夢の世界みたいでたくさんの本が並んでいた。
読みたい本もたくさんある。
私は、時間を見つけて少しずつ読もうと思った。
バレたら大変だが……』
『○月○○日。晴れ。
図書室の本をこっそり読んで一週間が過ぎていく。
今日も隠れて読んでいると誰かが図書室に入ってきた。
私は、慌てて隠れる。しかし
そこに現れたのは、皇帝陛下だった。
陛下が読書好きだと聞いていたが、まさか
こんなところでお会いするなんて夢のようだった。
いつもは、下を向いてよく見えないが
きちんと見るとなんて素敵な人なのだろうか。
しかしバレたら処罰されるかもしれない。
そう思うと震えて身を潜めるしかなかった』
『○月○○日。曇りのち雨。
陛下は、よく同じ時間帯に図書室に訪れていた。
バレたら危険なのに、どうしても会いたくて
同じ時間の少し前に行くようにしていた。
真剣に読む陛下は、素敵だ。
しかし、頻繁に見ていたせいかバレてしまった。
処罰を覚悟した。だが寛容の陛下は、
私を許して下さった。同じ読書好きが幸いして
話が出来て嬉しかった」