「料理長に?何を貰ったんだ?」

「それは、分からないけど……」

話をしているとロンが動き出した。
私達は、慌てて追いかけると庭の方に移動していた。
庭に何の用かしら?
するとエレンと合流していた。あ、密会!?

私は、あの男と顔を見合わせる。
やっぱり何かあるんだわ!?
ひっそりと付き合っているのかしら?
ドキドキしながら覗いていると2人で移動して行く。
追いかけると何やら声が聞こえてきた。

「あらあら。そんなところに入ったらダメよ~
大人しくしてなくちゃあ」

えっ……?
思わずいろんな事を想像してしまった。
私もあの男も慌てて覗くとエレンは、小さな子猫を
抱っこしていた。ね、猫……!?
白とグレーの柄をしている可愛らしい子猫だ。
するとエレンとロンが私達に気づいてしまった。

「ユリア様!?それに陛下まで……」

「どうされたんですか!?」

「あ、あの……ごめんなさい。
覗き見するつもりはなかったのですが、見たら
気になっちゃって……」

驚く2人に慌てて謝った。
結局覗き見になってしまったが、まさか
2人して猫を可愛がっているとは思ってもみなかった。
するとあの男が「何をしているんだ?」と聞いてきた。
私も気になり見るとエレンは、クスクスと笑うと
ロンは、ため息を混じりに教えてくれた。

「これは、失礼しました。実は、最近庭に
この子が怪我をして迷い込んでいまして。
まだ小さいので里親を探す間に
こっそりと私達で面倒を見ていたのです」

「城で飼えばいいじゃない。ダメなの?」

「そうしたいのは、山々なんですが……陛下が」

ロンが言いにくそうに言うとあの男が
くっしゅんとくしゃみをし出した。しかも何回も
私は、驚いて振り返るとまた……。