うーん。だとしたらロンでは違うかも。
彼は、冷静沈着で楽しませてくれるとなると
ちょっと違う気がする。
ロンに対して恋愛感情とかあるのか、ますます
分からなくなってしまった。

じゃあ……ロンは!?
ロンは、恋愛より仕事が優先らしいとあの男が
言っていたけど実際は、どうなのかしら?

私は、気になりロンの動向を探ることにする。
あの男のそばに居る時は、公務の妨げになるし
下手に2人に気づかれそうでヤバい。
なので1人に居る隙を見つけようと奮闘する。
エレンにも悟られたら困るし、アミーナも気づかれたら
2人に話しそうだしなぁ……。

するとエレンとアミーナが居ない時にロンを探しに行くと
料理長と話しているロンを見つけた。
何かを受け取るとそのまま後にする。
私は、慌てて気づかれないようにその後を追いかけた。

途中で部下達を見つけると何やら指示を出していた。
相変わらず激務だなぁ……と思った。
ロンは、あの男の側近で執事だから常にサポートに回る。
それ以外にも下の者の指導や管理をしていたりして
一日中動き回っていた。

あの男の面倒も大変そうだが、よくあれだけ働いて
倒れたりしないわね?大丈夫かしら?
心配になりながら壁に身を隠しながら覗いていると
後ろから気配がした。ビクッと反応して振り向くと
あの男だった……。

「悪趣味だな。覗きか?」

「覗きじゃなくて探っているのよ!
それに悪趣味とか、あんたに言われたくないわね」

あんたも度々私を影から覗いているの知っているんだから!!
私は、そう言いながらツッコむとあの男も
同じように覗き出した。えっ……?

「で?どうなんだ?何か分かったのか?」

「あなた……興味がないんじゃなかったの?」

「ロンの恋愛に興味がないとは言ったが
貴様が何を企んでいるのではないかと考えたら
気が気ではないからな。あれだ……貴様の監視だ!」

何なのよ……その理由は?
相変わらずややこしい言い訳をするわね。
素直に興味が湧いたと言えばいいのに……もう。
私は、呆れながらため息を吐くと一緒に覗いた。

「今のところ変化なしだけど……料理長から
何かを貰っていたようだけど?」