シュークリームが8個分出来たのでアミーナ達に
1個ずつお裾分けする。エレンとロンが居なかったため
私は、近くに居ると思い探しに向かった。
すると居た、居た。

反対側の庭の方でエレンとロンが何やら話していた。
しかも楽しそうにエレンは、笑顔を見せていた。
あらあら、もしかして……。
私は、こっそりと声をかけずに覗き見をする。

そういえば最近になってエレンとロンが
一緒に居る姿を見るような気がする……。
ロンは、あの男の側近で執事だし
エレンは、私の専属侍女でもあるから何かと
接点あるといえばあるけど……もしかして
こっそり付き合っているのかしら?

エレンの片思いっていう可能性もあるけど
もしロンも同じ気持ちならそれは、素敵じゃない。
私は、フフッと笑いながらあの男の元に戻って行く。

「はぁっ?エレンとロンが!?」

「そうそう。もし両思いだったら素敵じゃない?
2人共……お似合いだと思うし」

「お似合いねぇ……そうか?」

庭のテーブルでティータイムをしているあの男に
話すがイマイチ分かっていないようだ。
もう……鈍いわね。私は、呆れてしまった。

知的で優秀なロン。何事にも冷静沈着で
眼鏡をかけていて顔立ちもかなり整っている。
エレンもアミーナと比べて優秀で落ち着いた性格だ。
意外と冗談が好きだったりするが、あの男に
アドバイスしたりサポート力が高い。
それに長い髪を1つにまとめて三つ編みをしていて
小柄で可愛らしい。どう見ても美男美女だ。

そんな2人が恋仲かもなんて思ったら
興味が湧いてくるものだ。

「もう……陛下は、気にならないの?
2人共から何か聞いてない?」

「いや。別に……あの2人は、昔から知っているが
付き合っているとか聞いたことがないな。
ロンに限っては、恋愛より仕事優先って感じだし」

確かに。ロンに限っては、恋愛とかにあまり
興味を示す感じではないけど……。
それよりもえっ?昔から知っているの?

「昔から知っているって……幼馴染みとかなの?」

「幼馴染みではない。幼馴染みは、ゼトリックだけだ。
ロンの一族は、昔から我がエミリオン家の執事として
仕えてはいるがアイツの家は、侯爵家だ。
ロンに初めて会ったのは、俺もアイツも14歳の頃だ。
エレンの場合は、母親が元侍女だったからな。
今は、病で引退しているがそれもあり
後に続くように侍女になった。確かアイツの場合は、
15歳ぐらいの時だったか?」