焼き上がるとオーブンを開けた。
こんがりときつね色になってあり美味しそうに焼けた。
それを見た瞬間あの男は、目を輝かせていた。
私は、クスクスと笑いながらカスタードクリームを
作ることにした。

鍋に次の3個の卵をそのまま入れる。
砂糖を加え、白っぽくなるまですり混ぜた。
すぐに混ぜ始めないとダマになるので手早くやる。

そしてあの男に指示を出して横で薄力粉を
ふってもらいながら入れ、よく混ぜた。
粉気が無くなったら牛乳を少しずつ入れて練り混ぜ
なめらかになるまで混ぜる。

中火にかけ、たえずゴムベラで底をこするように混ぜて
焦げつかないように練る。
とろみがつき、つやが出てきたら火から下ろす。
目安は2~3分。もったりとした生地がしばらくすると
サラりとし、さらに火を通すと水分が蒸発して
再びトロッとしたクリーム状になる。
そこでバラニエッセンスを4~5滴振って混ぜる。

バットに出来たクリームを薄く広げて表面にラップを
ピッタリ貼りつけ乾燥を防ぎようにする。
(保冷剤を乗せると早く冷える)
後は、余熱を取ってから冷凍庫に冷やせば完成だ!

焼き上がったシュー生地の上1/3をナイフで切り
直径1cmの丸口金をつけた絞り出し袋に
カスタードクリームを入れて
器の部分にクリームを絞り、蓋をして完成。

「よし。出来た!」

私は、嬉しそうにそう言いながらと横を見る。
すると余程我慢が出来なかったのかあの男は、
出来たシュークリームを1個思わず口に入れていた。
あ、つまみ食いしているし!!

「あ、陛下!?つまみ食いしているし」

「ふまみぐいほは、なんだ……ふぉぐふだ!
(つまみ食いとは、なんだ。毒味だ)」

「もう……食べながら喋らないでよ!」

そう言いながらも私は、笑ってしまった。
そして、片付けるとティータイムにする。
さっきまで自分でつまみ食いしたくせに、食べさせろと
うるさいので食べさせてあげた。
目を輝かせながら夢中で食べるあの男を見ていたら
こんな生活も悪くないなと思えた。