トラブル続きだったけど楽しかった
バースデーパーティーは、無事に終わった。
その後。あの男に変化が……。
「おい。今日は、何を作るんだ?
俺は、シュークリームかチーズケーキの気分だ。
貴様が食べさせてくれるのなら食べてやらんこともないぞ」
あれからお菓子作りにハマりだした。
美味しいお菓子を一緒に作れるのと食べる理由になるため
度々こうやってリクエストをしてくるようになった。
本人にしたら仕方がなく付き合ってやっているらしいが
夢中になってやっている。
私が食べさせるなら食べてくれるようになったし
まぁ好きなモノを我慢するのは、身体に悪いし
いいことなのだろう……。
私は、苦笑いしながらも厨房をまた借りて
リクエストのシュークリームを作ることにした。
まず量った薄力粉をふるいでふるう。
それは、あの男にやってもらう。
粉で噎せ返っていたが一生懸命ふっていた。
私は、その間にバターを常温に戻しておいて
ボウルに入れて溶きほぐす。
溶きほぐした卵(3個)の半個分(26g)ほど
取り除く。2個半にしておく(26gは、使わない)
そして鍋に細かく刻んだバターを入れて
その後に水、塩、砂糖を入れて中火で
木べらを使い溶かすようにかき混ぜる。
沸騰して吹き上がったら火からはずし
あの男がふるった薄力粉を一気に入れて
水分を吸わすまで練る。
再び中火にかけ、生地がまとまって鍋肌から離れ
鍋底に白っぽい膜が張るまでしっかり練る。
ここでの練り時間の目安は1分30秒位だ。
火からおろし、あの男に代わってもらうと私は、
溶きほぐした卵を4回くらいに分けて加える。
その都度なめらかになるまでかき混ぜる。
最初は多めに入れ加減しながら少しずつ加えていく。
冷める前に手早く混ぜるようにあの男に指示を出す。
すると一生懸命混ぜていた。
そして固さを確認する。
仕上がりの目安は、ヘラで生地をすくったときに
生地が3秒ほどかけてゆっくり落ち、残りがヘラに
逆三角形で残るくらいの状態がベスト。
生地の先は透明感も出ており
この状態になったら卵を加えるのをやめる。
卵が残っていても加えてはいけない。
持ち上げてすぐ落ちるようでは卵の入れすぎだからだ。
出来たら直径1cmの丸口金をつけた絞り出し袋に
生地を入れた。オーブンシートを敷いた天板に
直径3~4cmに隙間を空けながら絞り出す。
口金を天板に近づけて直角にかまえる。
初めはギュッと絞り出し、生地を押しつけるように
丸く広げる。
水をつけた指でとがった部分を撫でると
表面にたっぷり霧を吹きをする。
水蒸気で生地がよく膨らみパリッとするが
無いのでそれは、5本の指ではじいてやる。
そして200℃で20分焼き、その後180℃に下げ
10分焼いた。途中でオーブンは、絶対に開けてはならない。