私は、どうにかして食べてもらうべく案を考えた。
ぶっちゃけ私知っているのよ!と言えたらいいが
ツンデレで強情なあの男のことだ。
さらにムキになり食べなくなる可能性が高い。
ならさりげなく……食べたくなるように工夫しないと。
そうだわ!
いいことを思い付いたとエレンとアミーナに
頼みごとをする。作戦は、こうだ。
私がアフタヌーンティーを楽しむ。
そしてさりげなくお茶に誘う。最近の様子なら
私から誘えば言い訳しながらでも来てくれるはずだ。
早速アミーナ達にお茶とスコーンやケーキを
用意してもらう。花が見える方のお庭で
テーブルをセッティングしてアフタヌーンティーを開いた。
エレンがあの男を上手く外に誘い出してくれた。
私は、紅茶を飲みながら楽しむふりをする。
するとあの男は、私を見つけると近寄ってきた。
「何だ……ゆ、ユリア。1人で楽しく
アフタヌーンティーか?」
「あら陛下。えぇそうよ!
今日は、天気がいいし花も綺麗だから
ここでお茶をしようってことになって。陛下もいかが?」
ぶっきらぼうになりながらも食いついてきた。
最近では、名前で呼んでくれるようになってきた。
まだ慣れないみたいだけど……。
私は、クスクスと笑いながら誘ってみる。
するとちょっと心が揺れ動いていた。
よしよし、もう少し……。だが椅子に座ってくれたが
「どうしてもと言うならお茶だけならご馳走になろう。
俺は、甘いのは好きではないのでな」と言ってきた。
うっ……そうきたか。
あくまでもお茶だけだと言い切られてしまった。
なかなか言い出したら頑固だ。
だが私もそれで諦めるつもりはない。
「あら……そう?残念だわ。美味しいのに」
そう言いながらわざとらしく美味しそうに食べてみる。
そうしたら見てくる、見てくる。
羨ましそうに、こちらをジッと……。
素直に自分も食べたいと言えばいいのに
「陛下もいかが?」ともう一度誘うが、それでも
「いらない」と拒否られた。もう頑固ね。
しかし羨ましそうに見てくるから
ますますどうにかして食べさせないと周りも
食べにくいだろう。うーん。困ったわね。
他にいい方法は……。
あ、そうだわ!これなら……。
一応皇帝陛下なので、させるって言うのもどうかなと
思ったが仕方がない。それに
これなら刺激になるだろうと考えた。