「それは、きっとユリア様が本当の意味で陛下を
意識なされて、好きになっているからではないでか?」
えっ?私が!?
エレンの言葉に衝撃を受ける。確かに
あの男のことは少しは、見直したかもしれない。
でもそれが好きとか……何でそういうことになるの!?
私には……三浦君が。
「きっとまだ頭の中が困惑しているのだと思います。
今までは、そこまで意識をなされてなかったから
普通に接して来られましたが、今だと異性として
意識をされたから心がそれに追いついてないのだと思いますわ」
私が……あの男に?
「違う……私は……」
三浦君だと言いたくなるが言葉が出て来なかった。
好きな割りには、今は彼のことを思い出さなかった。
むしろあの男がどうとか、そればかり考えていた。
それは、私が意識しているからなの……?
私が好きだから……えぇっ……!?
「でも私は、あんな奴大嫌いだわ!!
私が好きなのは、三浦君だし」
思わずそう口に出してしまった。
自分で認めるのが恥ずかしかった。
するとエレンとアミーナは、青ざめていた。
えっ?どうしたの?
私は、何気に後ろを振り向くと……あっ!?
後ろにあの男が居た。えっ!?
ま、まずい……聞かれちゃった。
焦っているとあの男の顔は、引き攣っていた。
「ほう……様子を見に来てみれば、随分と
無礼な事を言うではないか?ミウラ?
それは、貴様の国の男か?
貴様は、俺という者がありながら故郷の男と
乳繰り合っていたというのか?」
「乳繰り合うって……三浦君は、そんな
下品なことしないわよ!!あんたじゃあるまいし」
「はぁっ?俺がいつ下品なことをした?」
「昨日してきたじゃない!!大体ね。
あんなところでシてくるとか信じられないのよ!
それに私は、あんたのモノじゃないし。
私が誰と何を仕様が勝手じゃない」
あぁ……やめておけばいいのに。
いつもの調子で口喧嘩をしてしまった。
三浦君の事をこの男に話すつもりはなかったし
そんな間柄でもない。なのに……どうしても
この男を見ると違うことを口に出してしまう。
違う。私は……。