「黙れ。いちいち俺に指図するな……」

そう言いながらもあの男は、私にキスをしてきた。
何で……?
拒もうとするのだが力強くて抜け出せない。
それに……最近キスに慣れてきたのか
最初に比べて抵抗なくキスをしてくるようになっていた。

唇に触れるようなキスから段々と深くなっていく。
息づかいが荒くなってくると首筋にも……。
あれ……?ちょっと待って。

気づいたら押し倒されていた。
これって、このまま行くとこんな景色のいい頂上で
抱かれることになってしまう。
いや……さすがにそれはどうなの!?

「待って。待ってよ……ここ外よ!?
それに、こんなところで抱くなんて……誰か来たら」

「……心配するな。ここは、ほとんど人が足を踏み入れない。
俺様の穴場スポットだからな」

いや。そういう問題!?
私は、心の中でそうツッコミを入れた。
いくら穴場スポットとはいえ外には変わりない。
しかもこんな景色の見える崖の近くで……。
だがこの男は、やめようとしない。

気づくと騎士の衣服の中に手を入れてきた。
まずい……このままだと流される。

「ま、待っててば……せめて岩場は、やめて。
身体が痛い。痛いの……」

必死に石が身体に当たるから痛いと強調した。
これでやめてくれたらいいのだけど……。
するとあの男の動きは、ピタッと止まった。
どうやら理解してくれたようだ。

だがそうしたらあの男は、私をお姫様抱っこしてきた。
えっ?何で……!?
そしてあの大きな一本木まで運ぶと
もたれさせるように私をおろした。これって?

「岩じゃなければ問題ないんだな?」

って……そういう意味じゃないから!?
私は、慌ててツッコミながら否定をしようとするが
その前に口を塞がれてしまった。
違う……岩場だから否定したんじゃなくて、外で
そういうことをしたくなくて否定したのに……。

必死にジタバタするが、すっかり火がついてしまった
あの男は、やめるどころか先に進めようとしてくる。
深いキスを何度もしてきた。