朝食を食べてる時もお互いにムスッと
不機嫌そうに食べていた。するとロンは、呆れた様子で
「どうしてまた怒らせる事をしたんですか?
ラブラブになるならまだしも何で険悪なムードに…」と
ため息を吐きながら聞いてきた。

「仕方がないだろ!?コイツが生意気な態度を取るから」

「はぁっ?あんたがデリカシーのないことばかり
言うからでしょーが!!」

あの男の勝手なことばかり言うから
余計にムキになりバンッとテーブルを叩いた。
あー腹の立つ男だわ!!

結局その後も喧嘩ばかりになり朝食は、台無しに。
ムカムカしながら私は、素振りの練習をしていた。
まだ痛みがあるが、このイライラや少しでも
サボると身体が鈍ってしまう。
私は、ストレスをぶつけるように枝を上下に振るう。

「ユリア様。お身体大丈夫ですか?
無理に練習しなくても?」

「大丈夫よ。これぐらい……アイツを見返すためにも
体力をつけなくちゃあ!!」

誰が体力がなくて鍛え方が足りんよ!!
あーまだ思い出しただけでも腹が立つ。すると
用事を済ませたエレンがこちらに来た。
何やら慌てながら。

「ユリア様。丁度良かった……ぜひあちらにお越し下さい。
今から陛下が部下達に稽古をつけるようですわ」

「稽古……?何の?」

「剣の稽古です。陛下は、時間の空いた時に
部下や兵を分けてご自分と1対1で決闘をするのです。
陛下は、凄く強いのでいい実戦稽古になるんですよ」

エレンは、興奮気味に言ってきた。
あの男が……部下相手に実戦稽古!?
それは、ぜひ見てみたい。あんな傲慢な態度が
どれ程の実力を持っているのかこの目で見たいと思った。

私は、すぐにそのやっている練式場に向かった。
広い場所で何十人の部下達が居た。
丁度あの男が1人の部下と戦っている最中だった。
お互いに剣をぶつけ合う。剣道に似ているが
明らかに違うのはこちらは、鋭い本物の剣だ。
一歩間違えると大怪我をしてしまうからもしれない
大変危険な実戦稽古だった。

お互いに失敗も油断も許されない。
だがあの男は、確かに皇帝陛下としていくつかの
戦に挑んでいるだけはあって強い。
見ていてもまったく隙が見えてこなかった。