あら?何も言わない。
この前は、出ていけと怒鳴りつけてきたのに。
もしかして昨日の事で少しは、変わったのだろうか?
私は、不思議に思いながらも仕方がないので
一緒に入ることにした。
出たら出たでアミーナ達がうるさそうだし。
お互いに湯船に浸かるが何か話す訳でもない。
無言のままだった。それは、それで緊張するわね。
するとあの男がチラッとこちらを見てきた。
「……辛くないのか?」
「えっ?」
まさか、あの男から話しかけてくれるとは
思わなかったからつい聞き返してしまった。
すると頬を赤くしてそっぽを向いてしまう。
「だから……辛くないのかって聞いているんだ」
「あぁ……大丈夫。ちょっと痛いけど平気よ。
もしかして心配してくれたの?」
ぶっきらぼうながらも、もう一度言い直してくれた。
私は、それが嬉しくなりそう返した。
だが、それが気に障ったのか急に怒り出した。
「ち、違う。誰が貴様なんかにし、心配するか。
勘違いをするな!!俺は、痛いとか
文句を言われたくないだけで貴様のことなんて
これっぽっちも心配してないぞ!」
ムキになってくるあの男に呆れてしまった。
何で心配してくれたの?と聞いただけで、そこまで
キレるのかしら?
相変わらず素直じゃないというかツンデレよね。
「別に怒ることないじゃない。私は、嬉しかったから
心配してくれたの?と聞いただけよ」
「そ、それが勘違いだと言っているんだ!!
はぁ?貴様の心配……ふざけるな。
俺は、抱きたい時に抱いただけだ。そもそも
それぐらいで痛がるとか鍛え方が足りん。
もっと体力をつけろ!!」
「はぁ~?何よ……それ。
ちょっと見直して褒めたらすぐに調子に乗る。
大体女と男は、体力も痛さも違うのよ!
あんたは、楽でいいだろうけど、私は、あんたの……。
もういいわ。最低!!」
腹を立てまたもや口喧嘩になってしまった。
こうなった時は、お互いに意地の張り合いだ。
私は、先に出るとイライラしながらドレスに着替えた。
アミーナとエレンは、慌てた様子で
「またですか!?」と言われたが……だって
仕方がないじゃない。
アイツは、あんな態度なんだから