結局一緒に寝る事になってしまった。
ベッドの上に2人きり……。非常に気まずい。
チラッと見るとあの男も気まずいのか、ずっと
背中を向けていた。

どうしたらいいのよ?これ……。
自分から誘うなんて冗談じゃないし
だからと言ってこのままだと眠れたものじゃない。
やっぱり上手く言って自分の部屋に戻るしか……。

「あの……勢いでこうなっちゃったけど
あの後だとやっぱり嫌よね?
私……お邪魔だから自分の部屋に……」

そう言いかけた瞬間だった。あの男は、勢いよく
ベッドから降りるとロンが置いて行ったワインの蓋を
開けるとそのまま一気飲みを始めた。えっ?
ゴクッゴクッと勢いよく飲み干すとハァッとため息を吐いた。

緊張を紛らわしているのかしら……?
するとこちらをジロッと睨み付けるように見てきた。
その鋭い目付きに思わずビクッと反応する。
な、何よ……!?

そうしたら私に近付いてきた。
えっ……えぇっ!?
戸惑う私を関係なくそのままドサッと押し倒してくる。
覆い被されてしまった。心臓がドキドキと高鳴る。

「ちょっと……何をするのよ……」

「……うるさい。黙れ……」

あの男を見ると頬を赤く染めて
またもや手がガタガタと小刻みに震えていた。
やっぱり緊張している……?

「も、もしかして緊張してるの?」

私は、そう聞くとさらに頬を赤くする。
「うるさい……」あの男は、そう言うと私の口を塞いだ。
強引なキス……そのはずなのにキスは、
触れるような甘く優しかった。

嫌なら拒めばいいのに……何故か拒めない。
唇を離すとまた求めるようにキスをした。
自然と自分の手があの男の背中に触れる。
するとそれに気を良くしたのかアイツも私の胸に触れてきた。

お互いにぎこちない行為だった。
だがどうしても最後のところになると痛くて
私は、また手を上げようとしてしまう。だがさすがに
3度目になると直前に手を掴まれ塞がれた。

「は、離して……」

「俺に手を上げようとするな。痛いなら
ちゃんと俺に掴まっておけ」