「うるさい。勝手に死なせろ!!
俺は、恥をかいた。しかも男としてもだ!
こんな恥ずかしい思いを周りに知られるぐらいなら
死んだ方がマシだ!」
そう言いながら椅子に登ろうとする。
よく見ると天井にロープ紐が……って自殺!?
ちょっと……何を考えているよ!?
どうやら私に二度目の平手打ちされたのと
失敗に終わったのが相当ショックだったらしい。
いや。だからって自殺しようとする?普通……。
「陛下……大変!!ユリア様。
何とかして陛下の気を静めて下さい」
エレンにそう言われるが静めるも何も……。
だが、止めようとしたいのを放置する訳にもいかない。
もう……これだと本当に私が悪いみたいじゃない!!
あぁ……もう。
「陛下やめなさい!!私が怒ったのは、
あんなところでヤろうとするからよ!
ちゃんとベッドで優しくシてくれたらあんな風に
平手打ちなんかしなかったわよ……」
半分ヤケクソになりながら叫んだ。
一瞬静まり返る。あの男も驚いて止まった。
自分でも言っておきながら恥ずかしくなる。
だが何かハッとしたのかあの男は、
「そ、そんなのは、俺の勝手だろ。
それにベッドで抱かないと言ったはずだ……」と
またもや意地を張り出した。
まだそこに拘るの!?
真面目というか融通の利かない男ね!
くっ……仕方がないわね。
「ベッドの方がいいに決まってるじゃない。
そ、それに……ベッドの方が誰にも邪魔されないし
もっと気持ち良くなれるのに……」
わざと独り言のように呟いてみた。
するとあの男は、その言葉にピクッと反応すると
チラッとロンを見る。ロンは、コクリと頷いた。
「そ、そうだな。風呂で抱くのも飽きてきたしな。
たまには、ベッドで抱くのも悪くないな」
飽きたってまだ1回しか抱いてないでしょーが!!
しかも未遂だし……。それに切り替え早っ……。
意地っ張りの割りには、素直というか人の意見に
左右されるところがあるようだった。
とりあえず騒動が収まった。
しかし肝心なことを忘れてはいけない。
これだと私から誘ったようなものだ。
どうするのよ……これ!?