ダイニングテーブルに着くとあの男は、
まだ来ていなかった。手紙を書いているからだろう。
良かった……と胸を撫で下ろした。
しかし。しばらくしてロンと一緒に現れた。

どうもあの男も同じ気持ちなのだろう。
同じようにギクシャクしていた。
椅子に座るのだが、表情が硬い。いや怖い。
眉間にシワを寄せて唇がヒクヒクしていた。
笑いかけてる……?いや。不気味過ぎる……。

「陛下。それだとユリア様が引きますよ?」

「う、うるさい……笑えと言ったのは、お前だろ」

「それだとただの不気味……いや。硬直しているみたいです」

「あっ?何だと!?お前……今不気味と言っただろ?
俺のどこが不気味なんだ?陛下としての笑みだろ」

何だか、いつものように逆ギレし出すあの男だった。
どう見ても不気味だと思うのだが……。
どうやら笑うようにロンに言われたらしい。
何とも……素直なんだか、そうではないのか……。

私は、思わずため息を吐いた。
するとその態度が気に障ったのか、こちらに向かって
怒り出してきた。

「何だか……貴様。俺様を見てため息とは!?
全くの無礼だぞ。恥を知れ。このくそアマ」

「あら……ごめんなさいね?
あまりにも不気味だったからため息が出てしまったわ」

「はぁっ?何だと!?」

売り言葉に買い言葉。
まさかに、このためにあるような言葉だ。
せっかくのお手紙の効果も今ので消え失せた。
何なのよ……顔を合わせもあの態度は?
くそアマ?なんて下品で野蛮な男なの……。

腹が立つし、ムカつく。
お互いに言い合いが始まるとロンやアミーナ達は、
深いため息を吐いていた。
それまったく気づかない私達は、まだ言い合った。

だが……次の朝には、手紙が届けられていた。
ムカつくので乱暴に開けてアミーナに手渡した。
すると内容を読み上げるアミーナ。