う、うーん。これは、どうだろうか?
何だか同じように堅苦しいような気がする。
それに……あなたの妻よりって。
まるであの男を妻になったことを認めたようなものだ。
無いわよね……これ。
私は、まだあの男を認めた訳ではない。
それに、これだとまるで私があの男を……受け入れているみたいだし。
「ユリア様。完璧な文ですわ。では、これは
私が陛下に渡してきますね」
エレンは、そう言うと手紙をさっさと没収して
封筒に入れてしまった。
あぁ……まだ書き直してないのに。
「ちょっと……待って。それは……」
「どうかなされましたか?ユリア様」
「あ……いや。別に……それでいいわ」
書き直したいとは、言い出せなかった。
一生懸命教えてくれたアミーナに悪いし
それ以上のモノを書けるかと言われたら自信はない。
渋々承諾するとエレンは、にっこりと笑い
陛下に渡しに行ってしまった。
あぁ、あれを読んだらあの男は、なんて
反応をするのだろうか?喜ぶ?それとも驚くかしら。
今の状況だと喜ぶかもしれない。
下手したら返事を貰えるなんて期待すらしてないかも
だとしたら、かなり恥ずかしいことだ。
自分で書くって言っておきながら
段々と恥ずかしくなってきた。
あぁ、読まずに捨ててくれたら楽なのに……。
それは、それでムカつくけど思わずそう考えてしまった。
しばらくしてエレンが戻ってきた。
どうやら予想通りに返事を貰えるなんて思っておらず
大変驚いていたらしい。
「凄く喜ばれていて……すぐに返事を書いていましたわ」
また返事を!?
いやいや。それは、ただの返事だし。
まさか返事のまた返事を書いてくるなんて驚きだ。
そんなつもりで書いた訳ではないのだが……。
私は、呆れてそれを聞いているとドアのノックが叩かれた。
夕食の準備が出来たらしい。
こ、こんな時に……顔なんて合わせにくいのに。
私は、ギクシャクしながらも仕方がなく
ダイニングルームに向かうことにした。