ドレスだとやりにくいので女性騎士が着るような服を
用意してもらった。丈がミニスカになっているので
動きやすいし、デザインも胸元にリボンがついていて
可愛らしい。これなら思いっきり素振りが出来るわね!
私は、気合いを入れて掛け声をかけながら
素振りの練習をしていた。それを見て
アミーナが驚いていた。無理もない。
令嬢で今だと皇后なのに、こんなことをやっているのだから

だが、何があるか分からない以上
少しでも体力をつけておかないと……。
するとエレンが花束を持ってこちらに来た。
華やかで綺麗な花束だ。

「ユリア様。これを……」

「えっ?どうしたの?これ……とても綺麗ね。
ありがとう」

私は、花束を受け取った。
いろんな種類の花がある。色もピンクや赤
青などがありカラフルで素敵だ。匂いもいい……。
私は、嬉しそうに花の匂いを嗅いでいるとエレンは、
ニコッと微笑んできた。

「こちらは、陛下からの贈り物です」

へ、陛下!?
エレンの言葉に驚いて一瞬花束を落としそうになった。
危ない、危ない。
いやいや。それよりも陛下の贈り物って?えっ?
まさか……この花束が?

「どうして……これを?」

「きっと怒らしてばかりだったので
お詫びも兼ねてだと思います。あと喜んでほしいから
この花束は、自分でお庭で摘んだみたいですよ。
ほら、今でもあそこで様子を伺っていますわ」

えっ……?
あの男が自分からお詫びや庭で摘んだのも驚きだが
エレンの言う方向を見てみると遠くから
木に隠れてこちらを覗いていた。
な、何をやっているのよ……あれ!?

「何で隠れて見ているのよ?」

「フフッ……気になるんですわ。
この花束もちゃんとユリア様が受け取ってくれるか」

「自分で渡せば良くない?」

「それは、無理ですね。陛下ツンデレさんなので。
ねぇ、可愛らしいでしょ?」

可愛いと言われても……。
でも、そのために摘んできてくれたの?
もう一度チラッとあの男を見る。
すると迎えに来たロンに声をかけられていた。