私は、不思議そうに尋ねると2人は、
えっ?とした表情をされる。すると騒ぎだした。
娘がおかしくなったと……。
ちょっと、何で?というか娘って……えぇっ!?

その後は、大慌てて医者を呼ばれ私は、
診察をすることになった。出た診察結果は、
記憶喪失。えっ……何で!?

「まぁ……陛下の結婚があまりにも嫌なために
記憶喪失になるだなんて。やっぱり
この結婚は、無理だったですよ……あなた」

「しかし……陛下直々の申し出た。私も嫌だ。
しかしそれを破れば……我が国は……」

「どうにかならないのですか?
これでは、あまりにもユリアが可哀想ですわ」

ちょっと待って。話が見えてこないのだけど?
私の婚約が何?そもそも私は、黒猫を助けただけで
何でこんな騒ぎになっているのよ?

まったく意味が分からなかった。
この人達も知らないし、婚約とか可哀想とか
一体誰と勘違いしているのよ……。
私は、混乱しているとある事に気づいた。

自分の手を見ると剣道で出来てしまったマメがない。
白くて綺麗な手だ。
黒い自分の髪の毛が何故金髪なのだろうか?
私は、ハッとした。
そして慌ててベッドからおりると近くにあった鏡を見る。

「だ、誰よ……これ!?私じゃない!!」

思わず叫んでしまった。
自分で言うのも何だが私は、168cmもあり背が高い。
そして長い黒髪をポニーテールにしている。
昔の日本の武士のような感じだ。

しかしそこに映っていたのは……容姿は、
自分に似ているのだが金髪碧眼の姿だった。
背も明らかに低くて華奢。160cmも無いだろう。
ど、どういうこと!?
だがすぐにハッとする。この展開知っている。

恋愛ノベルで読んだことがある。
確か王道でよくある事故か何かのキッカケで過去や
異世界にタイムリープするストーリーだったわ!!
それで素敵な王子様やドSな皇帝陛下に意地悪や
翻弄されながらも愛を育んでいく異世界ラブファンタジー。
それに似ているじゃないか。

異世界に来てしまったの?
まさか……いや。でもそう考えると辻褄が合う。
この人達が私のことを娘のように接してくるのも
記憶喪失とかワケ分からないことを言い出すのも……。
だとしたら本当に異世界に来ちゃったの!?私。