あの男の発言に言葉を失う。
あの……昨日の話無かったことにしてもいいですか?
何なの……この態度は?
2回も人質だと連呼してくるし
ご立派な存在とか……あんたこそ何様?
これが好きな女性に対する態度なのだろうか?
むしろ嫌われたいだけじゃあ……?
私は、そんな思いで見ているとロンがコーヒーポットを
持って現れた。
「また陛下ったら余計な発言を……ユリア様。
おはようございます。今食事の用意をしていますので」
「あ、ありがとう……ロン。
それとおはよう……」
私は、怒りを抑えてロンに挨拶をすると
テーブル席に座った。
アイツには、絶対に言ってやるものか。
お互いに意地の張り合いみたいになっていた。
「なんだ……夫に対して挨拶はないのか?」
「あら、あなた夫だったの?それは、失礼。
全然気づきませんでしたわ」
「な、何だと!?」
またカッとするあの男。本当……キレやすいわよね。
私は、その態度に呆れてしまった。
何が夫よ……ただの仮面夫婦のくせに。
するとロンは、またため息を吐いた。
「お互いに喧嘩をしないで下さい。
陛下もそんな言い方をするからユリア様が余計に
ムキになるんですよ……」
別にムキになっている訳じゃないし。
ムスッとしているとあの男も不満そうな顔をしていた。
何よ……文句でもあるって言うの?
口喧嘩をしたい訳ではないけど
向こうがその気なら受けて立つだけよ!
そんな風に思いながら黙々と来た料理を食べた。
そして朝食を食べ終わると私は、語学の
勉強をすることになった。
驚いたことに勉強も受けさせてくれるらしい。
この異世界の会話は、日本語なのに
文字は、英語などで翻訳するのに苦労していた。
英語の成績は、いい方だけど完璧ではない。
だから勉強させて貰えるのは、ありがたいし
何より嫌なことを忘れて励めるからいい。
それと……この身体に転生してから
大分体力が落ちていた。小柄で華奢だから
仕方がないけど……これだといざという時に
何もできないじゃない。私は、それだとダメだと思い
語学が終わると長い枝を竹刀の代わりにして
素振りの練習をしていた。