「すぐに出産の用意を始めます。陛下。
外でお待ち下さいませ」
「しかしユリアが、こんなに苦しがっているし
それに手を握っていてと言われている。
俺もここで出産を見守る」
「しかし……」
もうどっちでもいいわよ!
それよりも痛いの。早く……準備をして。
あまりの辛さでイライラしてしまった。前よりも
陣痛がさらに短くなってきた。
助産婦は、慌てて準備をしてそのまま行うことに。
私は、陛下に頼みベッドの方に運んでもらう。
そして本格的に陣痛が始まった。
「さぁ皇后様。息を吸って……力んで下さい」
「んぐぐっ……」
私は、力一杯力を入れる。大量の汗をかいて
全身ブルブルと震えていた。
あの男は、オロオロしながらも必死に私の手を握めてくれた。
「ユリア。頑張れ……」
「んんぐっ……」
それから、どれぐらい経ったのだろうか。
最後に力を入れた瞬間だった……大きな産声が聞こえてきた。
うっ……産まれた!?
「おめでとうございます。元気な男の子です」
男の子……そう良かった。
私は、ホッと胸を撫で下ろそうとしたが……あれ?
まだ陣痛が続いている。すると助産婦が
慌ててたように口を開いた。
「皇后様。大変です……まだ居ます!!
双子だったみたいです」
ふっ……双子?えっ!?
衝撃的な真実を聞かされてしまった。
確かにお腹も思った以上に大きくなっていたけど……。
助産婦と他の侍女達は、慌てて準備を始める。