私は、寝室に戻るがあの男の姿はなかった。
何処に行ったのかしら?
てっきり寝室に戻って行ったのかと思ったけど
しばらくしたら戻るかしら?

そう思いしばらく待っていたが一向に戻ってこない。
違う場所でいじけているのかしら?
私があんなことを言ったら……。

執務室?それともまだ廊下で歩いているのかしら?
心配になりランタンを持って捜しに行くことにした。
だが執務室に行ったがダイニングルームにも居ない。
ロンのところかしら?
何だか不安になりロンの居る部屋に向かった。

部屋に着くと急いでドアをノックする。
すぐにロンが出てくれたが
「陛下ですか?こちらには来ていませんが
えっ?居なくなられたのですか?」と逆に
心配されてしまった。

「あ、ううん。いいの。
きっとお手洗いに行っててすれ違ったのね。
ごめんなさい。気にしないで休んで」

私は、必死に誤魔化した。
喧嘩のことも含めてあまり大事にしたくなかった。
もしかしたらその辺に居るかもしれないし
宮殿中を捜すことになったら大変だ。

ロンの部屋から離れると私は、また捜し直すことにした。
途中でアミーナや他の兵に声をかけられたりしたが
同じように誤魔化しておいた。しかし
私の力では見つけられなかった。どうしよう。
もしかして宮殿の外に。いや。夜で遅いし
こんな暗い状態で外に出るとは考えにくい。
後捜していたないところは……。

あ、秘密の部屋!!
まだあそこは、捜しに行っていない。
1人になりたいのなら、丁度いい部屋だ。
もしかしたら居るかもしれないわ。

私は、慌てて図書室の方に向かった。
図書室に着くと中に入り電源を入れた。
静かだが、夜だと何だか不気味で怖いと思った。
恐る恐る進むと中央にある星の絵柄がついた花瓶まで
行くが元に戻されていた。

そこではないのかな?とも思ったが
皆に見つからないように元の位置に戻した可能性もある。
とりあえず中を見て確かめるために花瓶をずらした。
お、重い……!!