「えっ?この人は……確かエミリオン帝国の
皇帝じゃないか!?何で……この状態に?」
「お父様、話は後にして。早く最高のお医者様を
陛下は、私を助けるために怪我をしたの。
国だって誤解を解きたくて……お願い!!」
両親は、かなり戸惑っていたが娘の私の焦りように
渋々だが応えてくれた。
すぐに宮殿の主治医をしている医師を呼ぶと
治療をしてしまった。
幸い急所を外れていたのと出血の割には
傷が浅かったため命に別状はなかったらしい。
ただ傷の影響で高熱が出てしまったらしい。
元々身体の弱い人だから……。
とりあえずゲストルームで寝かせるが熱で苦しそうだ。
私は、必死に看病する。すると知らせを聞いて
ロンが駆け付けてくれた。
「ユリア様。陛下が怪我をしたって聞きまして
大丈夫なんですか!?」
「大丈夫よ……ロン。幸い傷が浅くて
命に別状はないわ。ただ高熱を出してしまって」
「そ、そうですか……それなら良かった。
高熱ならとりあえず心配ありませんね……」
あの男の無事を聞いて安堵するロンだった。
一国の王であるから、もし死んだら大変だ。
そうではなくても国の皆に愛されているから人だから
ロンも相当心配しただろう。
「ごめんなさい。私が庇って怪我をさせてしまったの。
他の方にも申し訳ないわ」
自分が行くと言ったからこんなことに。
罪悪感と後悔をしてしまう。
もっと体力と……ううん。私がしっかりしていたら
「ユリア様のせいではありませんよ。
例えユリア様が言わなくても陛下は、アース帝国の
安否を心配して自分なら行くと言ったでしょう。
この方は、そういう優しいお方です」