改めて紗雪は目の前に広がる真っ暗な世界を見つめた。遠くのビルの明かりが少し眩しく感じるだけで、紗雪の周辺は漆黒の闇に閉ざされている。夜の屋上はこんなにも暗い場所だったなんて紗雪は知らなかった。
暫く真っ暗な空間を見続けた紗雪は、ふと太一のことを思い出した。太一はこの場所で柊に告白をして、付き合うことになった。教室に帰ってきた太一は、本当に嬉しそうな表情をしていたのを紗雪は知っている。でも、太一の笑顔を平気な顔して壊したのは自分だった。
太一のことを考えると胸が苦しくなった。もし太一に干渉していなかったら、太一は柊と幸せな関係を築いていたのかもしれない。
覚悟はしていた。だけどあまりにも重い罪悪感が紗雪にのしかかってくる。
紗雪はふと空を見上げた。散りばめられた星々が煌びやかに輝いている。
以前紗雪は本で見たことがあった。今輝いている星は、死に向かっているのだと。こうして人の目に届く時には、一生を終えている星もあるらしい。
「超新星爆発……」
どうして自分は生きているのだろうか。どうして星は死ぬとわかっていても輝きを放つのだろうか。科学的根拠を調べれば、直ぐに答えは出るのかもしれない。
だけど今の紗雪には、科学なんてどうでもよかった。
今はただ空に輝く星のように、精一杯自分の生きた証を残したい。
母が紗雪に託したように。誰かの記憶に残ってくれる存在になれれば。
紗雪は夜が明けるまで、輝き続ける星々を目に焼きつけた。
暫く真っ暗な空間を見続けた紗雪は、ふと太一のことを思い出した。太一はこの場所で柊に告白をして、付き合うことになった。教室に帰ってきた太一は、本当に嬉しそうな表情をしていたのを紗雪は知っている。でも、太一の笑顔を平気な顔して壊したのは自分だった。
太一のことを考えると胸が苦しくなった。もし太一に干渉していなかったら、太一は柊と幸せな関係を築いていたのかもしれない。
覚悟はしていた。だけどあまりにも重い罪悪感が紗雪にのしかかってくる。
紗雪はふと空を見上げた。散りばめられた星々が煌びやかに輝いている。
以前紗雪は本で見たことがあった。今輝いている星は、死に向かっているのだと。こうして人の目に届く時には、一生を終えている星もあるらしい。
「超新星爆発……」
どうして自分は生きているのだろうか。どうして星は死ぬとわかっていても輝きを放つのだろうか。科学的根拠を調べれば、直ぐに答えは出るのかもしれない。
だけど今の紗雪には、科学なんてどうでもよかった。
今はただ空に輝く星のように、精一杯自分の生きた証を残したい。
母が紗雪に託したように。誰かの記憶に残ってくれる存在になれれば。
紗雪は夜が明けるまで、輝き続ける星々を目に焼きつけた。