付き合ってほしい。そのセリフを二度聞いた太一は、今度こそ理解する。今、自分は告白されたのだと。意識した瞬間、徐々に心臓の鼓動が早くなっていくのが自分でもわかった。胸の高鳴りを抑え、できるだけ冷静になろうと試みる。そして太一の中に、疑問が浮かび上がってくる。
紗雪は付き合ってほしいと確かに言った。でも紗雪の言った付き合うの意味は、太一が考えている付き合うと別の意味なのではないかと。
「……わかった。それで、俺は何に付き合えばいいんだ?」
太一の問いに、紗雪は目を見開いてから睥睨の視線を向けてきた。
「何言ってるのかしら。あなた、頭悪いのね」
バッサリと冷たく太一をあしらった紗雪は、咳ばらいをしてからはっきりと告げる。
「私はあなたと彼氏彼女の関係になりたいって言ってるの」
紗雪の声が教室に響く。まさか本当に告白をしてくるとは思ってもみなかった。
「どうして……」
「今朝、月岡君は森川有香さんに自らの血液検査の結果を知らされた。それでゼロ型と言われるボンドの持ち主だと判明。そして今日のお昼、あなたは柊綾乃さんに振られた」
太一の心を抉っているとはつゆ知らず、紗雪は気にせず話を続ける。
「現段階であなたとお付き合いをしている人はいないはず。だから告白していいと思った」
太一は紗雪の言葉を否定できなかった。好きな人に告白をする。それは太一自身、ずっと行ってきたことだから。
「俺と付き合いたい理由は?」
「付き合うのに理由なんて必要?」
質問に質問で返してきた紗雪は、さらに一歩近づいてきた。手を伸ばせば紗雪に触れられる。それくらい近くに異性がいることを強く意識した太一は頬を赤らめた。
「いや、その……」
好きには何かしらの理由が必要だと太一は思っている。だからこそ自分と違う考えを持つ紗雪の質問に、どう答えていいのかわからない。
紗雪は上目遣いで太一を見つめながら言った。
「しいて言えば……あなたに興味があるの」
紗雪の声が教室内にこだまする。紗雪の真剣な眼差しに、太一は告白を受けているんだと改めて実感する。今までは自分が告白をする側だったからなのかもしれない。初めて抱く気持ちに胸が締め付けられた。
「でも、俺は……」
紗雪は付き合ってほしいと確かに言った。でも紗雪の言った付き合うの意味は、太一が考えている付き合うと別の意味なのではないかと。
「……わかった。それで、俺は何に付き合えばいいんだ?」
太一の問いに、紗雪は目を見開いてから睥睨の視線を向けてきた。
「何言ってるのかしら。あなた、頭悪いのね」
バッサリと冷たく太一をあしらった紗雪は、咳ばらいをしてからはっきりと告げる。
「私はあなたと彼氏彼女の関係になりたいって言ってるの」
紗雪の声が教室に響く。まさか本当に告白をしてくるとは思ってもみなかった。
「どうして……」
「今朝、月岡君は森川有香さんに自らの血液検査の結果を知らされた。それでゼロ型と言われるボンドの持ち主だと判明。そして今日のお昼、あなたは柊綾乃さんに振られた」
太一の心を抉っているとはつゆ知らず、紗雪は気にせず話を続ける。
「現段階であなたとお付き合いをしている人はいないはず。だから告白していいと思った」
太一は紗雪の言葉を否定できなかった。好きな人に告白をする。それは太一自身、ずっと行ってきたことだから。
「俺と付き合いたい理由は?」
「付き合うのに理由なんて必要?」
質問に質問で返してきた紗雪は、さらに一歩近づいてきた。手を伸ばせば紗雪に触れられる。それくらい近くに異性がいることを強く意識した太一は頬を赤らめた。
「いや、その……」
好きには何かしらの理由が必要だと太一は思っている。だからこそ自分と違う考えを持つ紗雪の質問に、どう答えていいのかわからない。
紗雪は上目遣いで太一を見つめながら言った。
「しいて言えば……あなたに興味があるの」
紗雪の声が教室内にこだまする。紗雪の真剣な眼差しに、太一は告白を受けているんだと改めて実感する。今までは自分が告白をする側だったからなのかもしれない。初めて抱く気持ちに胸が締め付けられた。
「でも、俺は……」