ソファで組んでいた脚を床に下ろした。きりのいいところまで図鑑を読み、腹も鳴ってそろそろ夕食にしようかという頃だったが、呼び鈴が鳴った。背景音楽のように点けたテレビはドキュメンタリー番組流している。リモコンでテレビを消し、確認した白の壁掛け時計は七時半を指している。こんな時間に誰だと思いつつ、僕は前のローテーブルへ図鑑を置き、腰を上げる。
玄関の扉を開けると、増家が「久しぶりだな」といやに明るい笑みを見せた。
「本当。もう五時間くらい会ってないね」
苦笑する増家へ「なんの用?」と問うと、「まあそんな冷たい言い方しなさんな」と彼は笑う。
「お前、晩飯食った?」
「いいや。これから」
「そうか」そんじゃちょうどいいと言う増家へ「なにをやらかしたんだ」と返すと、「そんな顔すんなよ」と彼は更に笑う。「ちょっと食材あるの忘れて買い物に走っちまっただけだ」
「それでなんの用?」大方想像はついてるけど、とは腹の中に留める。
「今日の晩飯、野菜うどんにしようと思ったんだよ。そんで、うどんと野菜っつう見事に保存してらんねえ食材が二人前あるもんで、消費を手伝ってもらおうと」
「……そう」それでその大荷物ね、と増家の持つ大きな袋へ視線を落とす。「それじゃあ入って。虫が入る」
「あざっす」と会釈して中に入る増家へ、「とんだドジだね、君は」と苦笑する。
玄関の扉を開けると、増家が「久しぶりだな」といやに明るい笑みを見せた。
「本当。もう五時間くらい会ってないね」
苦笑する増家へ「なんの用?」と問うと、「まあそんな冷たい言い方しなさんな」と彼は笑う。
「お前、晩飯食った?」
「いいや。これから」
「そうか」そんじゃちょうどいいと言う増家へ「なにをやらかしたんだ」と返すと、「そんな顔すんなよ」と彼は更に笑う。「ちょっと食材あるの忘れて買い物に走っちまっただけだ」
「それでなんの用?」大方想像はついてるけど、とは腹の中に留める。
「今日の晩飯、野菜うどんにしようと思ったんだよ。そんで、うどんと野菜っつう見事に保存してらんねえ食材が二人前あるもんで、消費を手伝ってもらおうと」
「……そう」それでその大荷物ね、と増家の持つ大きな袋へ視線を落とす。「それじゃあ入って。虫が入る」
「あざっす」と会釈して中に入る増家へ、「とんだドジだね、君は」と苦笑する。