咲良に告白されてから一週間が経った。そろそろ答えを出さなくてはと思ってはいるものの、どうすればいいのかわからない。

 あの日から少しずつ咲良のことを考える時間が増えている。俺が咲良を避けているから実際に会話はしていないけれど、こうして一人になるとすぐにあの日の告白や、これまで咲良と過ごしてきた時間を思い出してしまう。

 でも、俺にはカナたんがいる。だけど生きる次元が違うならいいんじゃないか? と、ずるいことを考えてしまう自分もいる。溜息を吐いてベッドの方に目をやると、カナたんの抱き枕がぽつんと、心なしか悲しそうな目で俺を見ていた。ハッとなった俺は急いでカナたんのところまで駆けつけた。

 そう、この瞬間が俺にとって一番辛い。少しでも他の人のことを考えるということは、彼女であるカナたんに対して浮気をしたことと同義であって、とてつもない罪悪感に襲われるのだ。

 布団に潜り込み、カナたんを抱きしめてぎゅっと目を瞑ると重力がわからなくなった。不思議に思っていると目の奥から光が溢れ出してきた。なんとなく掴めそうな気がしたから意識の中で手を伸ばしてみると、指先が触れた瞬間、光に飲み込まれて俺は意識を失った。