「行かないでカナたん! 確かに咲良のことはちょっと気になってるけど……好きなのかもだけど……でも、でもね、あいつは三次元の女! 俺が……次元なんて関係なく、心から愛しているのはカナたん! 君だけなんだよ!」

 ありったけの想いを込めて、伝えた。

 ああ神様、どうか俺からカナたんを奪わないでください。

 彼女は俺の光なのです。彼女がいるから、俺は生きていけるのです。

 だから、どうか……!

 強く、強く祈ると消えかけていた彼女が閃光に包まれた。一瞬眩しさで目を瞑ってしまったが慌ててすぐに目を開いて、彼女が消えていないことを視認し安堵の息を漏らした。

 カナたんは目を瞬かせ、心底驚いた顔で呟いた。

「……ビックリしちゃった。あんなこと言われたの、生まれて初めてだったから」

 そう言って顔を近づけてくるカナたんのあまりの美少女ぶりに動けずにいると、唇を奪われていた。初めてのキスは脳みそも心臓もとろけてしまいそうなほど、信じられないくらい幸せな気持ちにさせてくれた。

「か……カナたん……」

「……誰にでもこんなことするなんて、思わないでね?」

 なんてことだ。カナたんが可愛すぎて爆発しそうになった。俺は溢れ出して止まらないこの気持ちを、しっかりと彼女の目を見て口にした。

「愛してるよ、カナたん」

 彼女が笑顔を浮かべたとき、再び光が俺を包み込んだ。

 温かくて優しい、それはまさしく愛と呼ぶに相応しい光だった。